近年、国際郵便における通関電子データ(税関情報)の送信が万国郵便条約で義務化されたことにより、すべての国・地域宛てに荷物を送る際には、正確なラベル作成と内容品の情報入力が求められるようになっています。
特に化粧品のような「物品(検査対象)」をEMSなどで送る場合は、手書きラベルでは発送できません。
そのため、日本郵便が提供する「国際郵便マイページサービス」を活用して、インボイス(税関申告書)とラベルのデジタル作成を行う必要があります。
本記事では、初心者の方でもわかりやすく、国際郵便マイページサービスを使った化粧品のインボイス記入方法を解説します。
「どのように商品名を書けばいいの?」「英語での表記は?」「アルコール含有化粧品の扱いは?」といった疑問に丁寧にお答えします。
※ 化粧品の中には、そもそも海外へ送れない成分を含むものもあります。詳しくは関連記事「国際郵便で送れない化粧品とは?」も合わせてご確認ください。
「国際郵便 送れないもの 化粧品」の記事
化粧品を送るときのインボイスの記入例

EMSで化粧品を海外に送る際には、インボイス(税関申告書)の記載が非常に重要です。誤った記載や曖昧な内容では、通関遅延や没収のリスクが高まります。
ここでは、具体的な記入方法と、英語での表記例を解説します。
インボイスの記入方法
日本郵便の「国際郵便マイページサービス」では、半角英数字での入力が基本ルールです。
以下の点に注意して記入を進めましょう。
・使用言語:内容品の品名・個数・重量・価格は英語(推奨)またはフランス語で記載しましょう。
・記入内容:内容品は曖昧な表現を避け、具体的な名称で入力しましょう。(例:× Daily goods → ○ Skin Lotion)
各品目について、以下の情報を入力します。
・品名(例:Lipstick)
・正味重量(g)
・数量(例:1本)
・単価(例:¥1,500)
・総額(例:¥1,500)
こちらに加え全体の総個数・総重量・原産国(例:Japan)も必須です。
内容品に曖昧さがあると、税関でストップがかかる可能性があるため、具体的・明確な表記を心がけることが大切です。
商品名はどう書く?化粧品の表記例
EMSのインボイスに記載する商品名は、英語で具体的に記入することが基本ルールです。
以下に代表的な化粧品の表記例と、それに対応するHSコード(関税分類コード)を紹介します。
化粧水:Skin Lotion (HSコード:330499)
口紅:Lipstick (HSコード:330410)
つけまつげ:False Eyelashes (HSコード:670490)
※HSコードとは、国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一する目的のために作られたコード番号です。基本的には6けたですが、一部の国では桁数が異なります。インボイス作成時に必須ではありませんが、記載しておくと税関審査がスムーズになります。
アルコールに関する注意点として、「Skin Lotion」や「Perfume」などのワードがあると、税関側からアルコール含有の有無を確認される場合があります。
そのため、アルコールが含まれていない場合は、下記のように追記するとなお良いでしょう。
・Non-alcoholic(ノンアルコール)
アルコールを使用している場合は、以下のように度数を明記しましょう:
・Alcohol 18%(例)
これは、航空危険物の基準を満たしているかどうかの確認にもつながります。24%以下であれば多くの国へ発送可能ですが、念のため記載しておくと安心です。その他の化粧品は日本郵便のWebサイト(国際郵便 内容品の日英・中英訳、HSコード類の例)のページを参照するとよりスムーズです。
https://www.post.japanpost.jp/intmypage/faq/047.html
https://www.post.japanpost.jp/int/use/publication/contentslist/index.php?id=6&ie=utf8&lang=_ja&q=
重量・単価・個数の書き方ポイント
インボイスを作成する際には、「その商品が何グラムで、いくらで、何個入っているか」を入力します。以下にそれぞれの記載ポイントを解説します。
✅ 重量(Weight)
化粧品1点ごとの正味重量(中身の重さ)を入力します。
例:100g 200g
※内容品ごとの重量や荷物の総重量は入力が推奨されていますが、現状マイページからの入力は必須項目ではありません。不明な場合は、おおよその重量を記載して構いません。
✅ 単価(Unit Value)
新品で購入した化粧品の場合は、購入時の金額をそのまま入力してOKです。
例:1,000円 2,500円
※細かい金額が分からない場合は、おおよその金額(例:¥500、¥1,000)で問題ありません。あくまで通関時の参考情報となります。
✅ 個数(Quantity)
各化粧品の数量を明確に記載しましょう。
例:2個 3個
税関では「何点入っているか」を特に確認するため、曖昧な表現(例:数点)などは避けてください。
EMSとは?化粧品の発送に使える?

「EMS(国際スピード郵便)」は、日本郵便が提供する海外向けのスピード配送サービスです。
化粧品などの小型~中型の商品を迅速に届けたいときに便利ですが、送れるもの・送れないもののルールを理解しておくことが重要です。
ここでは、EMSの基本と、化粧品を送る際の注意点を解説します。
EMSの基本情報(配送スピード・料金・対応国など)
EMSは、世界120以上の国・地域に対応しており、日本から海外へ速く、安全に荷物を送る手段として広く利用されています。
配送スピード:多くの国で2〜6営業日程度で配達
料金:重量と宛先国によって変動(例:500gでアジア向け約1,400円~)
追跡サービス:全件に追跡番号あり
補償:最大2万円までは自動補償、それ以上は任意で追加可
対応国:アメリカ、オーストラリア、フランス、シンガポールなど主要国を含む120か国以上
スピード重視の個人輸出やギフト配送に適していますが、通関のための正確なインボイスの作成が必要です。
化粧品はEMSで送れるの?
結論から言うと、化粧品はEMSで送ることが可能ですが、いくつかの条件や制限があります。
特に注意すべき点は以下の通りです。
・アルコール含有量が24%を超える化粧品は、航空危険物として送れません。
・液体・クリーム状のものは、液漏れ防止のためにしっかりと梱包が必要です。
・国によっては、医薬品扱いになる成分(例:ハイドロキノン・ステロイド)を含むと輸入できません。
・送る国によっては化粧品そのものが規制対象になることもありますので、発送前に相手国の最新の輸入規制を確認しておくことが重要です。
✅ Sendonのような海外発送代行サービスを活用すれば、各国の規制確認からインボイス作成までしっかりサポートしてもらえるため、初めての方でも安心です。
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【2025年最新版】国際郵便マイページサービスの使い方

EMSで化粧品などの物品を送る場合、日本郵便が提供する「国際郵便マイページサービス」を使って、ラベルやインボイス(税関申告書)をオンラインで作成・印刷することが必要です。ここでは、マイページサービスの基本的な使い方を簡単にご紹介します。
国際郵便マイページサービスとは?
国際郵便マイページサービスとは、日本郵便が提供するオンラインの発送ツールで、EMS・国際eパケットなどに対応しています。
導入の背景には、万国郵便条約によって義務化された「通関電子データの提出」があります。これにより、手書きのラベルでは化粧品などの物品は送れず、デジタル形式での情報送信が必要となっています。
特に、液体や医薬品関連の規制が厳しい国では、正確な内容品の入力が重要です。
会員登録とログイン方法
利用には、無料の会員登録が必要です。以下の手順で簡単に始められます。
・国際郵便マイページサービス公式サイトにアクセス
・「新規会員登録」から、氏名・メールアドレス・住所などを入力
・登録完了後、ログインして利用開始
一度登録しておけば、住所や履歴が保存され、次回以降の発送がスムーズになります。
ラベル・インボイスの作成手順
作成の流れはとてもシンプルです。
・ログイン後、「送り状作成」を選択
・宛先情報(英語)と自分の情報を入力
・発送種別でEMSを選択(EMS書類、EMS物品、国際小包、小包包装物などが選択できます)
・内容品情報(内容品名・単価・原産国名・HSコード・重量・個数・内容品種別・内容品総額)を英語で入力
・発送関連情報を入力(発送予定日・総個数・総重量・損害賠償額)を入力
・システム上でインボイスも自動生成される
・PDFでラベルとインボイスを印刷し、荷物に貼付
(印刷はA4用紙にそのまま印刷し、切り取って貼ることが可能です。)
内容品の記載ミスが通関トラブルの原因になることもあるため、正確な情報入力が非常に重要です。
https://www.int-mypage.post.japanpost.jp/mypage/M010000.do?request_locale=ja
EMSで送付する際の梱包と発送の注意点

EMSで化粧品を送る場合、適切な梱包と発送後の管理がとても重要です。特に液体やガラス容器を含む化粧品は、航空輸送時に破損や液漏れのリスクがあるため、しっかりとした準備が必要です。
漏れや破損を防ぐための梱包方法
航空輸送では圧力や振動がかかるため、通常の宅配便よりも厳重な梱包が求められます。家庭でもできる安心な梱包方法は以下の通りです。
・化粧水・乳液などの液体はジップロック等で個別に密封
・キャップ部分をテープで固定し、液漏れ防止
・ひとつずつ緩衝材(プチプチ)で包み、箱の中で動かないように配置
・外箱には「Fragile(ワレモノ)」ラベルを貼るとより安心
手間ではありますが、化粧品を無事に海外に送付するためにできる限り配慮しましょう。
発送後の追跡方法と保険オプション
EMSは、発送後も安心して荷物を管理できるよう、以下の機能が提供されています。
追跡番号付き:発送完了後、EMS伝票に記載された番号で日本郵便の追跡ページから配送状況を確認可能
自動補償あり:荷物には2万円までの補償が自動付帯
追加の保険オプション:高額商品の場合、任意で補償額を上乗せすることも可能(※料金別途)
これらを活用することで、海外の相手先にも安心して届けることができます。詳しくは公式Webサイトでご確認ください。
https://www.post.japanpost.jp/int/ems/service/damage.html
不安なあなたは海外発送代行会社のSendonに依頼しよう!

「化粧品のアルコール成分ってどう書けばいいの?」「送って大丈夫な国か不安…」そんなときは、海外発送のプロに頼るのが安心です。Sendonにご依頼いただければ、煩雑な国際発送の手間をまるごとサポートが可能です。初めての方でも、迷わず安心して海外に化粧品を送ることができます。
すでにお伝えした通りご自身で国際郵便マイページサービスを利用して発送することも可能ですが、Sendonにご依頼いただいた時のメリットを以下にまとめました。
アルコール度数の確認
Sendonなら化粧品に含まれるアルコールの有無や度数が不明な場合でも、商品情報をもとに確認対応いたします。
国ごとの発送可否の調査
Sendonならお届け先の国で、その化粧品が送れるかどうかの調査も代行。面倒なリサーチ不要で安心です。
梱包の代行
Sendonなら面倒な梱包を丁寧に代行します。安心して海外に送付できるようプロの手で梱包を実施。EMS基準に合った安心の梱包をお任せください。
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まとめ
EMSで化粧品を送るには、インボイスの正確な記載や成分の確認、梱包方法など、多くの注意点があります。
ご自身で対応できる内容であればOKですが、少しでも「難しそう」「不安…」と感じた方は、ぜひ海外発送代行のSendonをご利用ください。
あなたの大切な化粧品を、安心・安全に海外にお届けするお手伝いをSendonが全力でサポートします!

