海外に住む日本人や、日本の化粧品を愛用するオーストラリア在住の方々から、「日本の化粧品はオーストラリアに送れるの?」「どんな成分がNGなの?」という質問をよくいただきます。
特にオーストラリアは、輸入される化粧品や医薬品に対して非常に厳しいルールを設けており、知らずに送ってしまうとトラブルになる可能性も。
この記事では、オーストラリアに送れない化粧品の具体的な例や、気をつけたい成分・パッケージの表示・書類の記載方法など、知っておきたい最新情報をまとめました。
これから日本のコスメをオーストラリアに送りたい方にとって、安心して準備ができるよう、わかりやすく解説していきます。
なお、海外で喜ばれる日本のコスメについて過去の記事で解説しましたので、参考になさってください。
過去記事の内部リンク「「海外で喜ばれる日本のコスメとは?送付時の注意点とおすすめの送り方も解説!」
オーストラリアに送れない化粧品と具体例

オーストラリアには、輸入できない・制限されている化粧品があります。ここでは、特に注意が必要な禁止成分や分類、具体的なアイテム例について紹介します。
アルコール含有量24%以上の化粧水や香水
一部の化粧水や香水には、アルコール(エタノール)が多く含まれているものがあります。
オーストラリアへの航空輸送では、アルコール含有量が24%を超える製品は「引火性危険物」として分類され、送付が禁止されています。
特に香水類はアルコール濃度が高いことが多いため、輸送中に気圧や温度変化によって沸騰・破裂の危険性があります。よって、香水は航空会社や輸入当局の規制対象になっています。
化粧品ではなく医薬品扱いになるもの
日本では化粧品として市販されている製品でも、オーストラリアでは医薬品に分類される成分があります。代表的な例は以下のとおりです。
・ハイドロキノン(美白成分)
・ステロイド(皮膚炎治療薬に含まれる)
・CBD(カンナビジオール)
これらはTGA(Therapeutic Goods Administration/オーストラリア医薬品行政局)による事前承認や申告が必要です。正規の手続きを経ずに送付すると、没収・処分・罰則の対象になる可能性があるため注意が必要です。
TGA(Therapeutic Goods Administration)とは
TGA(Therapeutic Goods Administration/オーストラリア医薬品行政局)は、オーストラリア政府の保健省に属する医薬品や医療機器、サプリメント、化粧品などの品質・安全性・有効性を管理する規制機関です。
TGAは、以下のような役割を担っています。
・薬品や治療用製品の輸入・販売に関する承認・登録制度の運用
・医薬品と見なされる化粧品の規制と分類
・消費者に対するリスク管理と安全情報の提供
化粧品は場合によってTGAの規制対象になる可能性があるため、送付前に成分や用途を確認し、必要に応じてTGAの公式情報を確認することが推奨されます。
日本基準での医薬部外品
日本で「医薬部外品」とされる製品の中には、オーストラリアでは医薬品として扱われるものもあります。
たとえば、前述したような薬用美白クリーム、ニキビ治療用のスキンケア商品、フケ・かゆみを防ぐ薬用シャンプー などがそれに当たります。
これらも成分によっては輸入制限がかかる場合があるため、輸出前に確認が必要です。
オーストラリアに送れない化粧品の具体例まとめ
上記の基準をもとに、実際に送れない可能性のある化粧品をまとめてご紹介します。
・香水(アルコール濃度が高いため)
・ステロイド成分を含むスキンケア製品
・ハイドロキノン配合の美白クリーム
・トレチノイン(ニキビやシミ治療に使われる成分)
・CBD配合のリップやバーム
これらの製品を送ろうとして、空港や税関で没収されるケースも多発しています。事前に内容物を確認し、送るかどうかを慎重に判断することが大切です。
オーストラリアに送れる化粧品の条件と具体例

送れない化粧品がある一方で、一定の条件を満たせば問題なく送れる化粧品も多数存在します。
ここでは、オーストラリアに送れる化粧品の条件と、具体的なアイテムの例をご紹介します。
アルコールフリー、エタノールフリーの化粧品
オーストラリアへの航空便では、アルコール含有量が24%を超えると航空危険物扱いとなるためNGですが、「アルコールフリー」や「エタノールフリー」と表示されている商品であれば、より安心して発送できます。
注意点として、成分表に「アルコール」や「エタノール」の記載があっても、含有量が不明なケースがあります。 含有量の明記がない場合は、メーカーに確認する、または危険物扱いになる可能性を考慮して送付を控えるとよいでしょう。
個人使用目的・1回あたりの数量が少量であること
オーストラリアでは個人使用目的であれば、化粧品の輸入は可能です。ただし以下の点に注意してください。
・1製品あたり1〜2点まで(少量である・明らかに個人使用と判断できる数量であること)
・明らかに商用目的(転売・大量発送)と判断される場合はNG
・同一製品を複数箱で発送するのは避ける
少量・個人使用が前提であれば、関税やTGAの規制対象になるリスクを抑えることができます。
英語の原材料表示があること
パッケージやラベルに英語で成分が表示されていることは非常に重要です。
税関や検疫でスムーズに通過させるために、英語での成分表示や使用方法の記載が推奨されます。
もし日本語表記しかない場合は、別途インボイスや説明書に英訳を付けるとトラブル回避に効果的です。
オーストラリアに送れる化粧品の具体例まとめ
以下は、一般的にオーストラリアへの個人使用として問題なく送れるとされる化粧品の例です。
・アイシャドウ
・口紅
・ハンドクリーム
・ファンデーション
・チーク
・ボディークリーム
・美容系サプリメント(ただし医薬成分が含まれていないもの)
これらのアイテムは、アルコール含有量が低く、医薬品成分も含まれていない場合が多いため、送付可能なケースが多いです。
念のため、TGA(Therapeutic Goods Administration/オーストラリア医薬品行政局)公式サイトで確認する、または配送代行サービス(例:Sendonなど)に相談しておくとより安心です。
送るときの注意点とポイントまとめ

オーストラリアに化粧品を送る際は、製品の選定だけでなく、梱包や書類の記載方法などにも注意が必要です。ここでは、トラブルなくスムーズに届けるためのポイントをまとめました。
梱包の注意点
化粧品は液体やクリーム状のものが多いため、輸送中の液漏れや破損対策が必須です。以下の点に気をつけましょう。
・ボトル類は個別にジップロックなどの密閉袋に入れる
・箱の中で動かないよう、緩衝材(プチプチ・新聞紙)で固定
・キャップ部分にはテープで封をする漏れ対策を施す
梱包が甘いと、破損だけでなく税関での通過トラブルや他の荷物への被害につながることもあります。しっかりとした梱包を心がけましょう。
インボイス(税関申告書)の記載方法
国際発送時には、インボイス(税関申告書)に正確な品名を英語で記載する必要があります。
「Cosmetics」などの大まかな表記ではなく、以下のように具体的に記載すると通関でのトラブルを避けやすくなります:
❌ ×「Cosmetics」
✅ ○「Cosmetic – Facial Cream」
✅ ○「Makeup – Lipstick」
✅ ○「Skincare – Moisturizing Lotion」
また、内容量や用途(Personal Use)なども明記しておくとよりスムーズです。
事前に相手国の最新輸入ルールを確認する
化粧品の輸入ルールは変更されることがあります。
繰り返しになりますが出荷前に以下の公式機関で最新情報を確認することが重要です。
・TGA(Therapeutic Goods Administration):医薬品・化粧品の輸入規制を管轄
・Australia Post(オーストラリア郵便):国際郵便物の条件確認に便利
また、Sendonのような海外発送代行サービスを利用すれば、こうした手間やリスクを最小限に抑えて発送することができます。
参考:Therapeutic Goods Administration (TGA)
参考:Personal, Business, Enterprise & Government solutions – Australia Post
よくある質問(FAQ)

ここまでの内容を踏まえて、オーストラリアに化粧品を送る際に寄せられるよくあるご質問にお答えします。なお、化粧品などの送付方法に迷うものはSendonのような海外発送代行会社に依頼するとメリットが多いことを過去の記事でもまとめましたので参考になさってください。
過去記事の内部リンク「化粧品の海外発送をもっと簡単に!Sendon活用のメリットとは?」
Q:化粧水と乳液は送れますか?
はい、アルコール含有量が24%以下であれば送付可能です。
ただし、念のため成分表で含有量を確認し、輸送中の漏れ対策も行いましょう。アルコールフリーの製品であれば、より安心です。
Q:香水は絶対に送れない?アルコール濃度で変わる?
香水は原則として送れません。
多くの香水はアルコール濃度が高く、航空危険物に該当するため、オーストラリアへの発送は不可です。どうしても送りたい場合は、専門の危険物輸送業者に依頼する必要があります。
Q:化粧品についているラベルが日本語のままでも問題ない?
ラベルが日本語でも大きな問題はありません。
ただし、インボイス(税関申告書)には内容を正確に英語またはフランス語で記載する必要があります。
また、可能であれば成分表の英語版を同封すると、通関時のトラブルを避けやすくなります。なお、送れない成分や商品が含まれていないか、事前確認も忘れずに。
Q:税関で没収された場合、どうなるの?
オーストラリアに送れない化粧品を発送してしまった場合、税関で差し止め・没収されることがあります。
悪質と判断された場合は、罰金や法的措置の対象になるケースもあるため、正確な情報をもとに準備することが非常に大切です。
まとめ
オーストラリアへ化粧品を送る際には、事前の確認が非常に重要です。本記事でお伝えしたとおり、オーストラリアに送れる・送れないの判断は、成分や使用目的、数量などによって変わります。
・アルコールや医薬品成分の含有に注意する
・インボイスや成分表示は正確に英語で記載する
これらの基本的な対策をしても不安な場合は、専門業者に確認を依頼しましょう。
「これ、送っても大丈夫?」と迷ったら、海外発送代行のプロである Sendon にご相談ください。
送付条件の確認から書類の記載、丁寧な梱包まで、あなたの大切な化粧品を安心して送るお手伝いをいたします。

