海外の家族や友人に化粧品を送りたい。あるいは、販売目的で海外に届けたい。どちらの場合も、気になるのが化粧品輸出に関するルールです。国によって規制や必要書類が異なるため、事前の確認が欠かせません。本記事では、化粧品を個人で安全に輸出するための基本をやさしく解説します。
個人で化粧品の輸出は可能?

化粧品は、製品によっては医薬部外品に分類されることもあり、輸出には一定の規制が設けられています。しかし、適切な準備と手続きを踏めば、個人であっても化粧品を海外に送ることは可能です。
ただし、「販売目的」か「プレゼントや個人使用目的」かによって、対応すべき内容が大きく異なる点に注意が必要です。例えば、販売を目的とした場合には商用輸出とみなされ、成分表示やパッケージ表記の変更、輸出通関に関わる書類の整備など、より厳密な対応が求められます。
一方、プレゼントとして送る場合であっても、送付先の国によっては一定の数量や成分を超えると課税対象になることがあります。たとえ「個人で送った」ものであっても、現地の法律に抵触する恐れがあるため、目的と送り先の条件に合わせた準備を行うことが大切です。
化粧品を海外輸出する際の注意点

化粧品を海外に送る際は、日本国内での販売と異なり、成分規制や表示方法など国際的なルールに対応する必要があります。ここでは、個人で輸出を行う際に特に注意しておきたいポイントをご紹介します。
国ごとに成分制限などの規制が異なる
化粧品に含まれる成分は、輸出先の国によって規制内容が大きく異なります。日本では問題なく販売されている成分であっても、海外では禁止または制限されている場合があります。具体的には、防腐剤や香料、アルコールなどが該当することがあるため特に注意が必要です。輸出前には、送り先の国の化粧品関連法や成分基準を確認しておくことが重要です。
ラベル表示やパッケージの表記にも配慮が必要
海外に化粧品を送る場合、外箱や容器に記載されている情報にも注意が必要です。成分表示、使用方法、注意事項などが適切な言語で明記されていないと、税関で止められたり、輸入を拒否されたりすることがあります。特に販売を目的とする場合は、英語や現地語によるラベル表示が求められる国も多いため、事前の準備が欠かせません。
配送時に破損や遅延が発生することもある
化粧品は、液体・ジェル状のものやガラス瓶入りの商品が多く、配送中に破損するリスクがあります。また、航空輸送ではアルコールを含む製品が制限されることもあり、輸送中の遅延や配送拒否につながるケースもあります。発送前には、梱包方法や配送手段の選定にも十分注意し、破損防止や輸送条件に適した対応をとることが大切です。
化粧品を海外輸出する3つの方法

化粧品を海外へ輸出する方法には、大きく分けて3つのスタイルがあり、方法によって必要な準備や対応すべき書類、コストなどが異なります。それぞれの輸出方法の特徴と注意点についてご紹介します。
1.国内向け製品をそのまま輸出する
もっともシンプルな方法は、国内で販売されている化粧品をパッケージや表示内容を変更せず、そのまま海外に送る方法です。手軽でコストも抑えやすく、まずは試しに送ってみたいという方に向いています。ただし、輸出先の国でそのまま受け入れられるとは限らないため、成分やラベルの規制を事前に確認することが重要です。
2.パッケージやラベルを一部変更して輸出する
日本仕様の化粧品をベースにしながら、輸出先のルールに合わせてラベルや説明文の一部を変更する方法です。成分表示を英語にしたり、現地語での注意書きを追加したりといった対応が主になります。大きな仕様変更を行わずに済むため、比較的スムーズに海外輸出へ対応できます。
3.海外仕様で製造された化粧品を輸出する
本格的に海外展開を視野に入れる場合は、初めから海外市場向けに設計・製造された化粧品を輸出する方法が最も確実です。対象国の法規制や文化的な好みにも対応しやすく、パッケージデザインや成分内容を現地ニーズに合わせて最適化できます。その分、開発や製造にかかるコストや期間も増えるため、綿密な準備が必要です。
化粧品輸出に必要な書類と手続き

化粧品を海外に輸出する際には、その製品の種類や仕入れ元、輸出先の国によって、必要となる書類や手続きが異なります。代表的な書類とその役割についてご紹介します。
GMP証明書(製造管理基準適合証)
GMP証明書(製造管理基準適合証)は、輸出する化粧品が適切な製造管理体制のもとで作られていることを証明する書類です。海外では、品質と安全性を担保する目的で提出が求められることがあります。国や地域によって提出形式や取得先が異なるため、事前に輸出先の要求条件を確認しておきましょう。
化粧品成分表(INCI名・配合割合の明記)
化粧品成分表は、製品に含まれる各成分の名称と配合割合を記載した書類です。特に、INCI(国際化粧品成分命名法)名での記載が求められることが多く、輸入国の審査において重要な判断材料となります。また、国によっては独自のフォーマットや記載言語が指定されている場合もあるため、あらかじめ対応が必要です。
製造販売届出済証明書などの法的書類
輸出先の国によっては、化粧品が日本で正しく製造・販売されていることを証明する書類が求められることがあります。その場合、「製造販売届出済証明書」を用意するのが一般的です。あらかじめ製造業者や販売元に確認して、早めに手配しておくのがおすすめです。
パッケージ表示やラベルの現物・データ
輸出時には、書類のほかに、製品のラベルやパッケージの画像データを求められるケースがあります。これは、現地での登録や審査の際に、表示内容の適正性をチェックするためです。スムーズに輸出手続きを進めるためにも、写真やPDFなどで事前に準備しておくのがおすすめです。
化粧品輸出の国別対応ポイント

化粧品の輸出にあたっては、国によって法規制や求められる書類、手続きの内容が大きく異なります。ここでは、特に注意が必要な中国とアメリカについて、それぞれの対応ポイントをご紹介します。
中国:事前登録や動物実験など独自の規制に要注意
中国に化粧品を輸出する際は、「一般輸入」か「電子商取引(越境EC)」かによって手続きが大きく異なります。
一般輸入の場合は、化粧品の種類に応じて2つの手続きが用意されています。特殊化粧品(例:日焼け止め、育毛剤など)については、中国当局に対して登録証の申請と資料の提出を行い、技術評価(審査)が必要です。この過程で、毒理学試験(動物実験)が求められることもあります。一方で、一般化粧品の場合は届出手続きのみです。製造業者がGMP相当の認証を取得し、製品の安全性評価を実施しているなど一定の条件を満たしていれば、毒理学試験報告書の提出を免除できる場合もあります。
電子商取引(越境EC)では、通常の輸入に比べて登録・届出の要件が緩和されるケースが報告されています。ただし、適用されるかどうかは輸送方式や流通経路(保税区など)により異なるため、事前確認が重要です
アメリカ:FDA対応や成分表示ルールを押さえる
アメリカに化粧品を輸出する際には、FDA(米国食品医薬品局)の規制内容をよく理解する必要があります。かつては、化粧品に関して事前承認が不要だった時代もありましたが、現在はMoCRA(化粧品規制現代化法)の施行により、製造施設の登録や製品リストの提出が義務化されています。
また、パッケージ表記では、INCI名による成分表示や使用方法・注意事項の記載が必要です。これらの情報は、FDAが輸入品の安全性や表示の正確さを確認するうえで重要なポイントとされています。
さらに、効果効能を過剰にうたう表現があると、化粧品ではなく「医薬品」として扱われる可能性があり、より厳しい規制の対象になることがあります。輸出前には、製品の表示内容に十分注意しましょう。
化粧品の海外発送はSendon!個人でも簡単に輸出できる理由

化粧品を個人で海外に輸出するとなると、通関書類の準備や各国の輸入規制への対応、配送方法の選定など、多くのハードルがあります。こうした手間や不安を減らすために便利なのが、国際配送に特化したSendonの利用です。ここでは、Sendonを活用することで得られる主なメリットをご紹介します。
関税や輸出規制に詳しく、通関もスムーズ
各国によって化粧品の輸入ルールは異なり、成分の制限や書類の記載方法に悩む方も多いのではないでしょうか。 Sendonは、化粧品輸出に関するさまざまな規制や通関ルールに精通しており、インボイスや税関申告の書類作成も任せられます。特にアルコールを含む化粧水や香水などは国によって制限が厳しい場合もありますが、Sendonではそうした製品の取扱い経験も豊富です。煩雑な手続きを代行してもらえるので、初めてでも安心して発送できます。
複数の配送方法に対応し、最適な発送方法を提案してくれる
SendonはDHL・FedEx・EMSなど、複数の国際配送業者と提携しており、荷物のサイズや内容、送付先の国、希望する配送スピードやコストに応じて、最適な配送プランを提案します。どの業者を選べばよいか分からないという方にも非常に心強い存在です。
中身の確認やおまとめ梱包などのオプションが充実している
化粧品はガラス瓶や液体を含むことが多く、梱包状態によっては破損や遅延のリスクも高まります。Sendonでは中身の状態を確認したり、不要な外箱を取り除いて軽量化したりといった細やかな対応が可能です。また、複数の荷物をひとつにまとめる「おまとめ梱包」を利用すれば、送料を節約できるだけでなく、箱数の管理も簡単になります。
法人契約により送料を低コストで抑えられる
SendonはDHLやFedExなどの国際配送大手と法人契約を結んでいるため、個人で直接配送を依頼するよりも割安な送料で発送できます。コストを抑えたい方にとっても非常に魅力的なポイントです。
まとめ

化粧品を海外に輸出するには、成分規制や表示ルール、書類の準備など、国ごとに異なる細かな対応が必要です。特に個人での対応となると、情報収集や手続きに時間がかかり、不安やミスも起きやすくなります。Sendonを活用すれば、通関に必要な書類の作成から、適切な梱包、送料を抑えるための配送手段の提案まで、まとめてサポートしてくれます。化粧品を安全・確実に届けるためにも、Sendonを活用してみてはいかがでしょうか。

