国際輸送・輸出時のインボイスの作成方法|書き方を項目別に徹底解説

海外の友人へ荷物を送る、あるいは越境ECで商品を販売する際、避けては通れないのが「インボイス(Invoice)」の作成です。しかし、「インボイスってそもそも何?」「全部英語で書かないといけないの?」「書き方を間違えたらどうなるの?」といった疑問や不安を感じる方は少なくありません。
不正確なインボイスは、通関での遅延や追加料金、最悪の場合は荷物の没収といった深刻なトラブルの原因となります。
この記事では、海外発送の専門企業であるSendonが長年の実務経験に基づき、輸出インボイスの作成方法を初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。

そもそもインボイスとは?海外発送における役割と重要性

海外へ荷物を発送する際には、送り状だけでなく「インボイス(Invoice)」という書類が必要になります。インボイスは国際取引における重要な書類であり、税関手続きや関税計算、取引証明などに活用されます。ここでは、インボイスの基本的な役割と、正確に作成する必要性について解説します。

インボイスは税関への公的な「輸出書類」

インボイスとは、海外発送において税関へ提出する公的な輸出書類です。国際郵便や国際宅配便で必ず求められる理由は、以下の3つの役割があるためです。

・税関への通知:荷物の中身を正確に伝える役割があります。どのような商品が、どのくらいの数量で、どこからどこへ発送されるのかを明確にすることで、輸出入の安全性が確保されます。
・関税計算の根拠:税関はインボイスに記載された情報をもとに課税価格を決定し、関税や消費税などを計算します。正しい金額が記載されていないと、誤った税額が課される可能性があります。
・取引の証明:売買や贈答など、荷物がどのような取引によって送られているのかを証明します。これは輸出者と輸入者の双方にとって、取引の透明性を保つうえで重要な意味を持ちます。

これらの理由から、インボイスは国際物流における基本書類であり、正しく作成することが求められます。

なぜインボイスの正確な作成が必要なのか?記載ミスが引き起こす3大トラブル

インボイスに誤りがあると、税関での審査や輸送の過程でさまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。代表的なものは次の3つです。

・通関手続きの大幅な遅延:記載内容に不備があると、税関で追加確認が必要になり、荷物の通関手続きが遅れることがあります。特に贈答品やビジネス用途の荷物では、納期に影響を与える大きなリスクとなります。
・荷物の返送・没収:商品の説明が不十分だったり、禁止品目に該当したりする場合は、荷物が返送されたり、最悪の場合は没収される可能性もあります。再発送にかかる送料や時間的ロスは大きな負担となります。
・予期せぬ関税や追加料金の発生:価格や数量の記載が誤っていると、想定外に高額な関税や追加料金が請求される場合があります。これは送り主と受取人の双方にとって、信頼を損ねる原因にもなります。

正確なインボイス作成は、スムーズな通関を実現するだけでなく、送り主と受取人双方の信頼を守るうえでも欠かせないプロセスです。海外発送を行う際は、インボイスの内容を十分に確認し、適切に作成することが重要です。

インボイス作成の前に準備すべき3つのこと

正確なインボイスを作成するためには、事前に必要な情報をそろえておくことが重要です。準備不足のまま作成を始めてしまうと、記載漏れや誤記につながり、通関手続きが遅れたり、荷物が返送されたりするリスクが高まります。インボイス作成前に必ず準備しておきたい3つのポイントを紹介します。

1. 荷送人(自分)と荷受人(相手)の正確な情報

まずは送り主である荷送人と、荷物を受け取る荷受人の情報を正確にそろえましょう。必要な情報は以下のとおりです。

・氏名(フルネーム)
・住所
・郵便番号
・電話番号

これらの情報はすべて半角英数字で入力する必要があります。住所を英語で表記する際は、日本とは記載順が逆になる場合が多いため注意しましょう。正確な情報がそろっていないと、税関で確認作業が発生し、発送が遅れる原因となります。

2. 発送する品物の詳細情報

インボイスには、発送する商品の詳細情報を具体的に記載する必要があります。準備すべき項目は以下のとおりです。

・正確な品名(英語表記)
・個数
・単価
・材質
・原産国

たとえば「clothes(服)」のようにざっくりした表記ではなく、「cotton T-shirt(綿製Tシャツ)」のように具体的に記載しましょう。また、ギフト(贈り物)として発送する場合でも、相当額の価格を記載する必要があります。 価格を0円と記載すると、関税の計算ができず、通関手続きに支障をきたす可能性があるため注意が必要です。

3. HSコード

HSコード(Harmonized System Code)とは、国際的に共通の品目分類コードです。商品を税関で正しく識別するために使用されます。インボイスにHSコードを記載することは、法的に100%必須ではありません。しかし、記載がないと税関で商品内容を確認するために追加審査が行われ、通関に時間がかかることがあります。そのため、トラブルを避けるためには「ほぼ必須」といえる項目です。

HSコードを記載しておくと、通関がスムーズに進み、荷物が早く届きやすくなるうえ、商品分類に関する誤解も防げます。特にビジネス用途や高額商品の場合には、HSコードを記載することで余計なトラブルを回避できる可能性が高まります。

HSコードは、日本郵便や税関の公式サイトで簡単に検索できます。発送前に必ず自分が送る商品に該当するコードを調べ、正確にインボイスへ記載しておきましょう。

https://www.post.japanpost.jp/int/use/publication/contentslist/index.php

https://www.customs.go.jp/toukei/sankou/howto/hs.htm

輸出インボイスは、記載内容が正確でなければ通関手続きがスムーズに進みません。間違いや記載漏れがあると、荷物の遅延や返送、予期せぬ関税の発生といったトラブルの原因になります。インボイスに記載する各項目ごとに、正しい書き方と注意点を具体的に解説します。

① Shipper / From(荷送人情報)

Shipper / Fromには、発送する自分自身の情報を記載します。以下の項目を半角英数字で入力しましょう。

・氏名(パスポートと同じローマ字表記が望ましい)
・住所(英語表記)
・電話番号(国番号を含める)

住所は、日本とは表記順が逆になる点に注意が必要です。
例:東京都新宿区西新宿1-1-1 → 1-1-1, Nishi-Shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo, JAPAN

電話番号は、日本の国番号「+81」を付け、最初の0を除いて記載します。
例:03-1234-5678 → +81-3-1234-5678

② Consignee / Ship to(荷受人情報)

Consignee / Ship toには、荷物を受け取る相手の情報を記載します。こちらも半角英数字で入力することが基本です。

・氏名(フルネーム)
・住所(海外の表記ルールに従う)
・電話番号(国番号を含める)

海外の住所は、日本と記載順が異なり、**「番地 → 通り名 → 市区町村 → 州(省) → 国」**の順で書きます。
例:アメリカ・ニューヨークの住所 → 123 Main Street, New York, NY, USA

住所の記載ミスは荷物が届かない大きな原因となるため、受取人に事前に確認してから記載しましょう。

③ Invoice No. / Date(インボイス番号と作成日)

Invoice No.(インボイス番号)は、荷物ごとに割り当てる管理番号です。法人では独自の番号体系を使うことが多いですが、個人発送の場合は日付やシンプルな連番で問題ありません。
例:20250915-01(発送日+通し番号)

Date(作成日)は、インボイスを作成した日付を西暦で記載します。
例:2025/09/15

④ Description of Goods(内容品の詳細)

Description of Goodsはインボイスの中でも最重要項目です。ここが曖昧だと税関が正しく判断できず、通関が遅れる原因になります。

NG例のように、漠然とした表現は避けましょう。
NG例:「Gift」「Snacks」

一方で、以下のように具体的な品名を英語で記載することがポイントです。
OK例:「Cotton T-shirt」「Japanese Rice Cracker」

さらに、材質や用途を追記するとより丁寧で分かりやすくなります。
例:「Stainless Steel Kitchen Knife」「Cotton Baby Blanket」

⑤ HS Code / Quantity / Unit Price / Amount(HSコード・数量・単価・合計金額)

ここでは、発送する商品の取引内容を数値で明確に示します。

・HS Code:商品の国際分類コード。正確に記載することで通関がスムーズになります。
・Quantity:商品の数量。単位(pcs, setなど)を添えましょう。
・Unit Price:商品の単価。通貨単位を明記します。例:JPY(日本円)、USD(米ドル)
・Amount:合計金額。Unit Price × Quantity で算出します。

金額の記載は、税関で関税や消費税を計算する際の根拠となるため、誤りがないよう慎重に記載してください。

⑥ Country of Origin(原産国)

商品の原産国を記載する項目です。日本で製造された製品であれば「JAPAN」と記載します。原産国が不明確だと、税関での確認作業が増え、通関が遅れる原因となります。特に複数の国で部品を調達して組み立てた製品の場合は、最終的に完成した国を原産国として記載するのが基本です。

⑦ Signature(署名)

最後に、インボイスには発送者の署名(Signature)が必要です。原則として手書きのサインが求められます。法人の場合は、担当者名や会社名を含めた署名を行い、会社の印鑑を併用する場合もあります。個人の場合は、自分の署名を英字で記載しましょう。

署名はインボイスが正式な書類であることを示すものであり、税関での信頼性を高めるために欠かせません。

インボイス作成に関するよくある質問

インボイス作成は初めて海外発送をする方にとって、分かりづらい部分が多くあります。ここでは、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問を解消し、安心して発送準備を進めましょう。

Q1. インボイスは誰が作成するのですか?

A. インボイスは、荷物を発送する「荷送人(輸出者)」が作成する責任があります。海外の税関はインボイスをもとに輸入品を確認するため、荷送人が責任を持って正確に作成することが求められます。誤りがあると荷物が遅れたり返送される原因になるため、発送前に必ず内容をチェックしましょう。

Q2. 関税は誰が払うのですか?

A. 原則として、荷物を受け取る「荷受人(輸入者)」が輸入国の法律に基づき支払います。ただし、DHLやFedExなど一部の国際配送サービスでは、荷送人が関税を先払いする「関税元払い(DDP)」オプションを選択できる場合もあります。ビジネス用途やギフト発送では、どちらが支払うか事前に確認しておくとトラブルを避けられます。

主要な配送業者ごとのインボイス作成方法

インボイスの作成方法は、利用する配送業者によって異なります。日本郵便(EMS・国際郵便)と、DHL・FedExなどの主要業者での作成方法を解説します。

日本郵便(EMS・国際郵便)の場合

日本郵便では、「国際郵便マイページサービス」を利用してインボイスをデジタルで作成することが必須となっています。以前は手書きの送り状やインボイスも利用できましたが、現在は通関電子データ送信の義務化により、手書きラベルは原則として使用できなくなりました。作成の流れは次のとおりです。

1.日本郵便の「国際郵便マイページサービス」に登録
2.オンライン上で必要事項を入力し、インボイスを作成
3.生成されたラベルを印刷し、荷物に貼付

オンライン作成により、税関への電子データ送信が同時に行われるため、通関手続きがスムーズになります。

こちらの記事も参考にしてください:【初心者向け】EMSで化粧品を送る際の内容の書き方を解説!

DHL・FedExの場合

DHLやFedExでは、各社が提供するオンライン発送ツールを使用して、インボイスを自動作成する仕組みが整っています。発送手続きをオンラインで進めると、入力した情報をもとにインボイスが自動的に生成されるため、手書きで作成する手間がありません。

また、PDFなどで自作したインボイスをアップロードする方法も用意されています。会社独自のフォーマットを使用したい場合や、細かい項目を追加したい場合に便利です。発送する国や商品によって求められる情報が異なることがあるため、事前に各社の公式ガイドラインを確認して作成することが大切です。

面倒なインボイス作成は専門家(Sendon)に任せるという選択肢

インボイスの作成は、海外発送初心者にとってハードルが高く、細かなルールや表記方法を理解するのに時間がかかります。さらに、記載ミスがあると通関で荷物が止められたり、返送されたりするリスクも。そんなときは、海外発送代行サービスの専門家に任せるという方法があります。ここでは、海外発送代行を利用するメリットや、Sendonの特徴をご紹介します。

なぜ海外発送代行の利用が安心なのか?

海外発送代行を利用する最大の魅力は、専門知識と豊富な経験に基づく安心感です。インボイス作成には、英語での適切な品名記載やHSコードの選定など、細かいルールがあります。初心者が自分で作成すると、以下のようなミスをしやすい傾向にあります。

・品物の価格を「0円」と記載する
・「Gift」「Snacks」といった曖昧な品名を書く

こうしたミスは、通関で追加確認が必要になり、結果として荷物が遅れたり返送されたりする原因になります。海外発送代行サービスであれば、プロがチェックしたうえで適切に作成してくれるため、トラブルを未然に防ぐことが可能です。さらに、自分で調べて作業する時間と手間を大幅に削減できる点も大きなメリットです。ビジネス利用だけでなく、個人のギフト発送でも安心して利用できます。

Sendonのインボイス作成サポートとは

Sendonでは、ユーザーが入力した情報をもとに、専門スタッフが最適な英語表現やHSコードを判断してインボイスを作成します。豊富な実務経験を活かし、通関で指摘されにくい正確な書類作成を代行。これにより、通関手続きがスムーズになり、発送後のトラブルを大幅に減らすことができます。「何をどこまで記載すればいいのか分からない」という不安を抱える初心者でも、Sendonなら安心して任せられます。

インボイス作成だけじゃない!Sendonを利用するメリット

Sendonはインボイス作成だけでなく、海外発送をトータルでサポートしてくれるサービスです。利用することで、以下のようなメリットも得られます。

・丁寧な梱包で破損リスクを低減:海外発送は長距離輸送になるため、輸送中の破損リスクが高まります。Sendonは丁寧な梱包で商品を守ります。
・カスタマーサポートが丁寧:口コミでも評判が良く、初めての方でも安心して利用できます。
・発送前の検品サービス:発送前に商品の状態を確認してくれるため、誤配送や不良品トラブルを防げます。

これらのサポートを受けられることで、海外発送が初めての方でもスムーズに手続きを進められます。特にビジネス利用では、顧客満足度向上やトラブル防止に大きく貢献します。

インボイスは自分で作成することも可能!専門家に任せるのが確実で安心

インボイスは、海外へ荷物を送る際の「パスポート」とも言える重要な輸出書類です。この記事で解説したポイントを押さえれば、ご自身でインボイスを作成することも十分可能です。
しかし、少しでも不安がある方や、より確実にトラブルなく荷物を届けたい方は、専門家である海外発送代行サービスに依頼するのが最も安全な選択肢と言えるでしょう。
Sendonでは、煩雑なインボイス作成はもちろん、海外発送に関するあらゆる手続きをサポートしています。大切な荷物を安心して届けるために、ぜひ一度ご相談ください。

https://sendon.com

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