海外に荷物を送る際、または国際郵便を利用する時、「関税がいくらかかるのか?」と不安に思う方は多いと思います。
国際郵便で海外に荷物を送る時関税が発生する場合もありますが、
送り先の国や品目、金額などによって関税はかからない場合もあります。
本記事では関税の基本や計算方法、各国のルールを理解し、関税が発生したときどうするべきかなどの対処法を含め解説します。

合わせて読みたい:関税とは何ですか?

関税の計算方法(概要)

海外への荷物の関税の計算方法を解説します。基本的な流れとしては、「輸入品の価格=課税価格」に「関税率」をかけることで計算されます。詳しく見ていきましょう。

課税価格の基準

課税価格の基準は国によって異なりますが、一般的に以下の2つの価格基準が使われます。

・CIF価格(Cost, Insurance, and Freight)
商品の価格(Cost)に、保険料(Insurance)と送料(Freight)を加えた合計額を基準とする方式です。
主な採用国:EU諸国、日本、中国など

・FOB価格(Free On Board)
商品の価格(Cost)のみを課税価格の基準とする方式。送料や保険料は含まれません。
主な採用国:アメリカ、カナダ、オーストラリアなど

つまり、CIF価格を採用している国では、送料や保険料も関税の対象になるため、想定よりも高くなる可能性があります。海外に荷物を送る時の関税の計算は、発送時に記載する インボイス(商業送り状) の申告価格をもとに決まります。例えば、ギフトとして送る場合でも、受取国の基準では課税対象となる場合があります。

関税率

関税率は商品ジャンルによって大きく異なります。
例:
関税率が高いもの:衣類、靴、革製品、アルコール、タバコ
関税率が低いもの:書籍、電子機器、医薬品

各国では「HSコード(Harmonized System Code)」という国際分類コードをもとに関税が決まります。同じ商品でも、国によって異なる税率が適用されることがあるため注意が必要です。

関税とは別に追加で発生する可能性のある税

関税以外にも、国によっては以下の税金が発生することがあります。

・消費税・付加価値税(VAT:Value Added Tax)
EU諸国やイギリスでは、関税とは別に 輸入消費税(VAT) が課されます。
日本でも輸入品には 消費税(10%) がかかります。
一部の国では、商品の種類ごとに異なる税率が適用されることもあります。

・特定品目にかかる税
酒類、タバコ、香水などの嗜好品には、 特別消費税 がかかる場合があります。
アメリカでは、一部の州で独自の輸入税が適用されることもあります。

免税範囲

送り先の国によって、関税が免税される範囲があります。
例えば以下の場合であれば関税がかかりません。

アメリカ:16,666円(150USD)以下なら関税なし
台湾:3,000TWD(約14,000円)以下なら関税なし
シンガポール:400SGD(約44,000円)以下なら関税なし

台湾アメリカシンガポール
免税範囲3,000TWD
(約14,000円)以下
150USD
(約16,666円)以下
400SGD
(約44,000円)以下

国別の関税ルールと計算方法(各国詳細)

ここからは、アメリカ・台湾・シンガポールの国別の関税ルールについて詳しく解説します。

アメリカ

アメリカの関税基本ルール

・16,666円(150USD)以下の荷物は関税免除
・150USDを超える場合は、商品ごとに異なる関税率 が適用される
・関税以外に 消費税(Sales Tax) や 特別税(Excise Tax) がかかることもあり

アメリカの関税の計算の流れ

1,申告価格を確認(150USD以下なら免税)
2,HSコードをもとに関税率を調べる
3,関税額を計算(関税率 × 申告価格)
4,必要に応じて消費税・特別税を加算

台湾

台湾の関税基本ルール

3,000TWD(約14,000円)以下の荷物は関税免除
3,000TWDを超える場合は、商品ごとに異なる関税率 が適用
消費税(5%)が別途加算される

台湾の関税の計算の流れ

申告価格を確認(3,000TWD以下なら免税)
HSコードをもとに関税率を調査
関税額を計算(関税率 × 申告価格)
消費税(5%)を加算

シンガポール

シンガポールの関税基本ルール

400SGD(約44,000円)以下の荷物は関税免除
一般的な商品には関税はかからないが、アルコールやタバコには高額な関税が発生
GST(消費税:9%)がかかる(2024年時点)

シンガポールの関税の計算の流れ

申告価格を確認(400SGD以下なら免税)
HSコードをもとに関税率を確認(該当する場合のみ)
GST(9%)を計算し加算

具体的な関税額のシミュレーション

関税の計算方法や免税範囲は国によって異なります。ここでは、それぞれの国へ 食品を送る場合 の具体的な例を挙げ、関税額を試算してみましょう。

ケース1:日本からアメリカへ食品を送る場合

送る食品と価格(パターン①関税がかからない場合)

インスタントラーメン(10袋):2,500円
日本茶(200g):1,500円
和菓子(5箱):5,000円
合計:9,000円(約60USD)

商品数量価格(円)関税率関税額(円)
インスタントラーメン10袋2,5006.4%0
日本茶200g1,5006.4%0
和菓子5箱5,0000.0%0
合計9,0000
(約60USD)

関税計算

✅ アメリカでは150USD(約16,666円)以下なら関税なし!
このケースでは合計金額が60USDのため、関税は発生しません。

送る食品と価格(パターン②関税がかかる場合)

インスタントラーメン(10袋):3,000円
高級日本茶(5袋):10,000円
高級和菓子(5袋):10,000円
合計:23,000円(約150USD)

商品数量価格(円)関税率関税額(円)
高級インスタントラーメン10袋3,0006.4%192
高級日本茶5袋10,0006.4%640
高級和菓子5袋10,0000.0%0
合計23,000832

関税計算

✅ このケースでは合計金額が150USD超過のため、関税は発生します。

注意点

もし総額が150USDを超える場合、食品の種類によって関税率が異なります。
一部の食品(肉類を含むものや乳製品)は、FDA(アメリカ食品医薬品局)の規制対象となる場合があります。
SendonではFDA申請の代行サービスも行なっています。お気軽にお問い合わせくださいませ。

ケース2:日本から台湾へ食品を送る場合

送る食品と価格

インスタントラーメン(10袋):2,500円
日本茶(200g):1,500円
和菓子(5箱):5,000円
合計:9,000円(約1,900TWD)

商品数量価格(円)関税率関税額(円)
インスタントラーメン10袋2,50020%0
日本茶200g1,50017%0
和菓子5箱5,0005%0
合計9,0000
(約1,900TWD)

関税計算

✅ 台湾では3,000TWD(約14,000円)以下なら関税なし!
このケースでは合計金額が1,900TWDのため、関税は発生しません。

注意点

3,000TWDを超える場合、食品の種類に応じた関税が課される可能性があります。
台湾では輸入食品に関する規制があり、肉製品や乳製品の持ち込みは禁止されているため注意しましょう。
また、台湾向けに食品を送る場合、6kg以上を一つの荷物で送るときは輸入検査の申請が必要となりますので注意しましょう。

ケース3:日本からシンガポールへ食品を送る場合

送る食品と価格

インスタントラーメン(10袋):2,500円
日本茶(200g):1,500円
和菓子(5箱):5,000円
合計:9,000円(約80SGD)

商品数量価格(円)関税率関税額(円)
インスタントラーメン10袋2,5000%0
日本茶200g1,5000%0
和菓子5箱5,0000%0
合計9,0000
(約80SGD)

関税計算

✅ シンガポールでは400SGD(約44,000円)以下なら関税なし!
このケースでは合計金額が80SGDのため、関税は発生しません。

注意点

400SGDを超える場合は GST(消費税:9%) が課されます。
アルコール飲料や加工肉類 は特別税の対象となるため、事前に確認しましょう。

関税が発生したらどうすればよいか?

関税が発生すると、受取人は追加の費用を支払わなければなりません。支払い手続きをスムーズに進めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

関税額の通知はどのように行われるのか

関税が発生すると、税関や配送業者を通じて受取人に通知 されます。通知方法は国や配送業者によって異なりますが、一般的には以下のような方法があります。

① 配送業者からの連絡
多くの場合、関税の請求は DHL、FedEx、UPS、EMSなどの配送業者 を通じて行われます。
通知方法は次の通りです。
・メールまたはSMSで通知(オンライン決済可能な場合あり)
・荷物到着時に配達員が関税の支払いを要求
・紙の請求書が送付される(国による)

② 税関からの連絡
一部の国では、税関が直接関税の通知を送る場合もあります。
例えば:
・アメリカ:荷物が税関で止まった場合、関税の支払いが必要な旨の通知が届く
・台湾:関税が発生した場合、受取人が税関に出向くよう求められることも
・シンガポール:関税が発生した場合、配送業者経由で通知される

関税はどのように支払えば良いのか

関税の支払い方法は、国や配送業者によって異なりますが、主に以下の方法で対応できます。

① 配送業者を通じて支払う(最も一般的)
DHL、FedEx、UPSなどの国際配送業者では、荷物の配達前または配達時に関税を支払うことができます。
支払い方法の例:
・オンライン決済(クレジットカード・PayPal)
・配達時に現金またはカードで支払い
・銀行振込(国による)

② 直接税関で支払う(国による)
一部の国では、受取人が税関に直接支払いを行う必要があります。
一例:
・アメリカ:米国税関(CBP)からの通知に従い、オンラインまたは郵送で支払い
・台湾:税関指定の銀行またはオンラインで支払い
・シンガポール:政府の税関ポータルで支払い可能

③ 事前に関税を支払う(DTP:Deliver Duty Paid)
関税を事前に支払うオプション(DTP)がある場合、発送時に支払いを済ませておくことで、受取人が関税を負担する手間を省くことができます。

関税をできるだけ抑える方法

関税を抑えるには、まず送り先の免税範囲を確認し、金額を超えないようにすることが重要です。
前述の通り、例えばアメリカは150USD(約16,666円)、台湾は3,000TWD(約14,000円)以下なら関税がかかりません。
さらに、関税率の低い商品を選ぶのも有効です。衣類やアルコール類は関税が高めですが、書籍や電子機器は低めに設定されています。
送料や保険料が関税の対象になる国もあるため、発送前に関税の計算基準(CIF価格またはFOB価格)を確認し、必要以上にコストがかからないように注意しましょう。

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関税の基本知識

関税とは?(定義と目的)

関税とは、輸入品に課される税金 のことを指します。その目的は以下の通りです。

国内産業の保護:安価な海外製品が流入しすぎないようにする
税収の確保:政府の財源として活用
貿易政策の調整:他国との貿易バランスを取るため

関税が適用される条件

前述の通り、基本的に個人使用の品物や贈り物であっても関税が課される可能性があります。ただし、国によって免税範囲が設定されているため、その範囲内であれば関税は発生しません。

海外発送代行サービスを活用するメリット

関税の計算や書類準備が難しいと感じたら、Sendonの海外発送代行サービスを利用すれば、安全かつスムーズに荷物を送ることができます。

①海外送付時の複雑な書類の準備などを手伝ってくれる

海外に荷物を送る際には、インボイス(商業送り状)や関税申告書などの書類が必要 です。国によって異なるため、誤った記載をすると荷物が税関で止められることも。Sendonなら、書類の作成サポートが受けられるので安心です。

②あらゆる国への発送実績が多い!

Sendonは、アメリカ・台湾・シンガポールをはじめ、世界各国への豊富な発送実績 があります。各国の関税ルールにも精通しており、スムーズな配送が可能です。

③カスタマーサービスが充実している!

海外発送には不安がつきものですが、Sendonならカスタマーサポートが充実 しており、関税や配送の疑問点についても相談できます。初めての海外発送でも安心して利用できます。

まとめ:Sendonで安心して海外へ荷物を発送しよう!

関税の計算や書類作成など、海外発送は意外と手間がかかります。
Sendonを利用すれば、複雑な手続きをスムーズに進められ、安全に荷物を送ることが可能 です。海外発送の際は、ぜひSendonを活用してください!

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